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留学でメンタルが不安定になる原因12選

  • 投稿日:7か月前
  • 更新日:2024-10-16 10:11:24

留学は新しい環境や文化に触れ、語学力を向上させる絶好のチャンスですが、実際には多くの留学生がメンタル面での不安定さに悩むことがあります。異国の地での生活は、期待と現実とのギャップや、ストレスを感じやすい状況に直面することが多いため、精神的な負担が大きくなることがあります。

留学中に感じる孤独やプレッシャー、経済的な不安など、さまざまな要因がメンタルに影響を及ぼします。この記事では、留学中にメンタルが不安定になる12の原因について詳しく解説し、それぞれの原因に対処するためのヒントを提供します。

留学でメンタルが不安定になる原因12選

元々日本で抱えていた精神的ストレスが倍増

留学でメンタルが不安定になる大きな原因の一つに、元々日本で抱えていた精神的ストレスが倍増してしまうことが挙げられます。留学は新しい環境に身を置くため、人生のリセットを期待して海外へ飛び出す人も少なくありません。特に、日本の生活に疲れ、海外での新しいスタートを切りたいと願う人は多いでしょう。しかし、実際にはその「リセット」自体が逆にストレスを増幅させてしまうことがあります。

日本での生活では、職場や家庭、友人関係など、日々の生活の中で積み重ねられたストレスが見えにくくなり、無意識に抑え込んでいることがあります。新しい環境での生活に集中することで、日本で抱えていた精神的な負担が一時的に見えなくなることもありますが、海外に出た途端、それらのストレスが再び浮上し、さらに倍増するケースが多いです。留学先で新しい挑戦が増えると、日本で解決できなかった問題や不安がさらに重くのしかかってくるのです。

例えば、言語の壁や文化の違いによって日常生活がスムーズにいかない場面が増えると、それだけでストレスがかかります。新しい友人を作ること、授業の内容を理解すること、さらには生活費や将来への不安など、さまざまな要因が重なり、日本で抱えていた小さな不安やストレスがより強烈に感じられるようになるのです。特に元々完璧主義だったり、責任感が強い人は、留学先での小さなミスやつまずきも大きな精神的負担に感じやすくなります。

また、留学中に孤独感を感じることも、元々の精神的な負担を悪化させる要因となります。友達や家族がすぐそばにいないことで、サポートシステムが崩れ、独りで悩みを抱え込むことになります。日本では、多少なりとも周囲の支えがあったとしても、留学先ではそのサポートを得られにくく、結果として心の負担が増えてしまうのです。

物理的な距離によって無意識レベルで孤独を感じる

留学でメンタルが不安定になる原因の一つに、物理的な距離によって無意識レベルで孤独を感じてしまうことがあります。現代のテクノロジーの進化により、スマホやインターネットを使えば、世界中どこにいても簡単に家族や友達と連絡を取ることができる時代です。ビデオ通話やメッセージアプリなど、海外からでもリアルタイムにコミュニケーションが可能になり、距離を感じないような便利なツールがたくさんあります。しかし、どれだけ頻繁に連絡を取っていても、無意識のうちに孤独を感じることが多いのです。

実際に顔を合わせてコミュニケーションを取ることと、画面越しのやり取りはまったく違う体験です。人は直接触れ合い、近くにいることで心の安定を得る傾向があります。離れた場所からの連絡は、一時的に安心感を与えるかもしれませんが、根本的な孤独感を埋めることは難しいでしょう。特に、長期間にわたる留学生活では、家族や友人と物理的な距離が大きいほど、その孤独感が強くなることが考えられます。

無意識レベルで感じる孤独感とは、頭で理解していることとは別に、心や身体が自然に反応してしまうものです。例えば、留学先で新しい友達ができたとしても、文化や価値観の違いから完全には打ち解けられないことがあります。日本にいる友人とビデオ通話をしていても、その距離感が埋まらないという感覚に陥ることがあるのです。無意識に感じる「孤立感」は、留学先での生活に慣れてきても消えることはなく、むしろ時間が経つにつれて強まることがあります。

さらに、留学先での日常生活は日本とはまったく異なり、文化的なギャップや言語の壁も孤独感を助長します。新しい環境で孤独を感じることは珍しいことではありませんが、これに加えて日本の家族や友人と距離が離れていると、心の安定を保つのが難しくなってしまいます。テクノロジーを駆使して連絡を取り合うことができても、実際に家族の温もりや友人との親密な時間を感じることはできません。この物理的な距離が、メンタルに大きな影響を与える要因となります。

また、孤独感が長引くと、メンタルヘルスにも影響を及ぼしやすくなります。自分の気持ちをうまく話せなかったり、相談する相手がいないと感じると、ストレスが溜まり、気分の浮き沈みが激しくなることがあります。留学中は新しい環境で多くのストレスを感じやすいですが、その中で孤独感を抱え続けることは非常に危険です。これにより、心の不安定さが増し、最終的にはメンタルが崩れてしまうことも考えられます。

友達ができないことの不安

留学でメンタルが不安定になる原因の一つに、友達ができないことによる不安があります。人は本能的に孤独を避けようとする生き物です。これは私たちの進化の過程で培われてきた重要な要素であり、特に新しい環境で孤立することは、精神的なストレスを強く感じる原因となりやすいです。

人類はかつて集団生活をすることで、外的な危険から身を守り、食料を確保し、繁栄してきました。そのため、私たちの脳は「仲間と一緒にいることが安全である」という信号を強く受け取るように進化してきたのです。逆に、孤独や孤立を感じると、それは危険信号とみなされ、強いストレス反応を引き起こします。現代社会では物理的な危険は少なくなったものの、その感覚は私たちの無意識の中に根強く残っています。特に異国の地で一人ぼっちになると、その不安は大きくなるばかりです。

留学の初期段階では、英語や現地の言語にまだ慣れていないことも多く、会話や自己表現に自信を持てない人がほとんどです。言葉が思うように出てこないことで、自然なコミュニケーションが難しく、友達を作るハードルが高く感じられるでしょう。また、言語だけでなく文化の違いも友人関係を築く上での障害となることがあります。日本の「空気を読む」文化とは異なり、海外ではより直接的なコミュニケーションが求められる場面も多く、こうした違いに戸惑うことも少なくありません。

さらに、留学先での新しい出会いには、異なる価値観やライフスタイルへの理解も必要です。日本では当たり前だったことが通用しないと感じたり、自分の常識が通じないと気づいたときに、孤立感を感じることがあります。「友達を作る」というシンプルな行為が、こうした文化的背景やコミュニケーションのギャップによって非常に困難に思えることもあります。

また、留学中の友達作りに焦りを感じてしまうのも無理はありません。特にソーシャルメディアで他の留学生がすでに現地の友人を作って楽しんでいる様子を見ると、ますます自分だけが取り残されているように感じ、不安が募ることがあります。このような焦りがメンタルのバランスを崩し、友達を作れない自分を責めるようになり、さらに精神的に追い詰められてしまうケースも少なくありません。

想像以上に英語が話せるようにならない

留学でメンタルが不安定になる原因の一つとして、期待していたほど英語が話せるようにならないという現実があります。多くの人は、留学すればすぐに英語が上達し、外国の友達もできて楽しい留学生活が待っていると期待しています。インターネットやSNS上には、「数ヶ月で英語がペラペラになった」という話も多く、留学前は自分もそうなるだろうと想像してしまいます。しかし、実際には英語の習得は思っている以上に時間がかかり、理想と現実のギャップに苦しむ人も少なくありません。

英語を母語としない日本人にとって、英語は非常に難しい言語の一つです。日本語と英語は、文法や発音、語順など多くの点で異なり、「言語的距離」が非常に大きいです。そのため、言語学的には、日本人が英語を習得するのには、他の言語圏の人々に比べてより長い時間と努力が必要とされています。例えば、ヨーロッパの多くの国々では、英語が第二言語として普及しており、学校教育や日常生活の中で自然と触れる機会が多いのに対し、日本ではそういった環境が限られています。

このような背景から、留学してすぐに英語が流暢に話せるようになると思っていた人ほど、その期待が裏切られることによるショックが大きいのです。留学初期には、現地の人々との会話がままならず、授業の内容も理解できないことに不安や焦りを感じることがあります。英語をもっと話せるはずだと自分にプレッシャーをかけてしまうと、かえってメンタルが不安定になりやすいです。

さらに、英語が上達しないことによる孤立感も、メンタルの不安定さに繋がる要因です。英語が話せないと、友達を作ることが難しくなり、孤独感を強く感じることがあります。また、現地の友達とのコミュニケーションがうまく取れないことで、「自分は本当にここにいていいのだろうか」と自己否定に陥ることもあります。このような不安や焦りが重なると、心のバランスを崩してしまうこともあります。

実際、英語を流暢に話せるようになるには時間がかかりますし、それは一朝一夕で達成できるものではありません。特に、英語圏の留学先では日常生活の中で常に英語を使わなければならないプレッシャーがあり、それが余計にストレスを感じさせる要因にもなります。日々の生活や授業での小さなつまずきが積み重なると、「自分は何もできていない」と感じ、メンタルが不安定になることも多いです。

留学中に英語がすぐに話せるようになることを期待していた人ほど、この現実に直面した時に大きな挫折感を抱くでしょう。しかし、英語の上達には時間がかかるということを理解し、焦らずに少しずつ成長していく姿勢が大切です。すぐに結果を求めるのではなく、毎日の小さな進歩を喜び、英語学習を楽しむことがメンタルの安定にも繋がります。

友達ができてもすぐに帰国

留学でメンタルが不安定になる原因の一つに、友達ができてもすぐに帰国してしまうことがあります。留学中の友達作りは、多くの留学生にとって重要な要素です。新しい国での生活に適応するためには、現地での友人関係が大きな支えになります。しかし、留学生の中には短期留学の人もいれば長期留学の人もいて、その滞在期間はさまざまです。もしあなたが長期留学をしている場合、せっかく友達ができても、彼らが短期留学であることが多く、あっという間に帰国してしまうことがあるのです。

短期留学の友達が帰国してしまうと、また一から新しい友達を作り直さなければならないという孤独感に襲われることがあります。せっかく仲良くなったのに、すぐに別れが訪れるという体験は、留学生にとって非常に辛いものです。特に、慣れない環境の中でようやく心を開いた友達がいなくなってしまうと、また孤独感が戻ってきてしまい、メンタルに大きな影響を与えることが少なくありません。

このような状況は、特に長期留学の学生にとっては日常茶飯事です。短期留学の学生と出会い、彼らと楽しい時間を過ごしても、彼らが帰国してしまうたびに「どうせまた新しい友達を作らなければならない」と感じることが積み重なり、孤独感が強まっていきます。何度も友達がいなくなる経験を繰り返すうちに、心を閉ざしてしまい、新しい友達を作ることに消極的になることもあるでしょう。このような状態では、人と深く関わることが難しくなり、メンタルが不安定になる原因となります。

また、「どうせ帰国してしまう」と思うことで、友達との関係を深めるのが難しくなります。短期留学の友達と過ごす時間は限られているため、深い友情を築く前に別れが訪れることが多く、そのため一時的な付き合いにしか感じられないこともあります。この「一時的な関係」への不安が、留学生活における孤独感をさらに強め、メンタルヘルスに影響を及ぼすことがあります。

留学中の友達作りは、実際には難しいものです。多くの留学生は「友達がいれば孤独ではない」と思いがちですが、友達がすぐにいなくなることや、友達との関係が浅いことも、精神的な不安定さに繋がります。さらに、友達が帰国した後の「取り残された感覚」も、メンタルに大きな影響を与える要因となります。

しかし、このような状況を乗り越えるためには、友達との別れを悲しむだけでなく、その別れを新しい出会いへのステップと考えることが大切です。短期の友達であっても、その出会いから得られるものは多く、別れを経験することで自分自身の成長を感じることができるでしょう。長期的に考えると、留学中に出会った友人は帰国後もオンラインでつながることができ、異なる文化背景を持つ友達とのネットワークが広がることで、メンタルの支えとなることもあります。

本音を語る語学力も語れる人もいない

留学でメンタルが不安定になる原因の一つに、本音を語る語学力も語れる人もいないということが挙げられます。新しい環境に飛び込んだ留学生にとって、日常会話や授業の理解に必死になるあまり、感情や本音を共有できる人が身近にいないことに気づくのは遅れがちです。日本にいる時でも、自分の本音を打ち明けられる友達や家族を見つけるのは簡単ではありません。それが留学先、特に言語の壁がある場所では、さらに難易度が上がります。

まず、語学力の壁が大きな要因です。英語で日常会話がある程度できるようになったとしても、自分の感情や深い思いを伝えるのはまったく別のレベルのスキルが求められます。軽い冗談や簡単な質問ならスムーズに交わすことができても、複雑な感情や悩みを言語化して相手に理解してもらうのは非常に難しいものです。特に、ネイティブスピーカー相手では、細かなニュアンスを伝えきれないことが多く、「自分の気持ちがちゃんと伝わっていない」と感じることが増えてしまいます。

さらに、こうした状況が続くと、次第に自分の感情を抑え込むようになり、「言ってもどうせ伝わらない」と感じてしまうことが多くなります。これはメンタルにとって非常に悪影響を及ぼします。人間はストレスを感じたとき、それを誰かに話すことでストレスを和らげることができると言われていますが、その相手がいない場合、無意識のうちに精神的な負担が積み重なっていきます。特に言語の壁があると、そうした感情を共有できる相手を見つけることはさらに難しくなります。

また、語学力だけでなく、本音を語れる「人」がいないことも問題です。留学中は、多くの出会いがある一方で、深い友人関係を築くのは難しいと感じる人が多いです。短期間で親密な友達を作ることは難しく、たとえ一緒に過ごす友人がいても、心から信頼して本音を打ち明けられる関係にはなりにくいものです。文化や価値観の違いもあり、「どこまで自分のことを話していいのか」という戸惑いが生じ、結果として心の中に抱え込むことが増えてしまいます。

日本にいるときは、家族や友人に気軽に本音を話す機会があったかもしれませんが、留学中はその距離が物理的にも心理的にも遠くなります。特に、友達ができたとしても、その距離感が縮まらないと感じることが多いのは、異なる文化や背景を持つ人々との関わり方が難しいからです。そのため、自分の悩みや不安を打ち明けられる相手がいない状態が続くと、心の負担が増え、メンタルが不安定になりやすくなります。

頼れる人がいない

留学でメンタルが不安定になる原因の一つは、頼れる人がいないという状況です。留学中には、普段日本では意識せずにできていたことが突然一人で対処しなければならないタスクになり、これが大きなストレスとなります。ビザの更新、シェアハウスやアパート探し、公共交通機関の定期券の購入、SIMカードの契約、銀行口座の開設など、留学生活を円滑に進めるためには、多くの手続きを自分でこなさなければなりません。

日本では、こういった手続きや困りごとがあった時、家族や友達、場合によっては会社の人事担当など、周りに頼れる人がいることが多いです。友人が一緒に付き添ってくれたり、親が手続きのサポートをしてくれたりすることもあるでしょう。しかし、留学中はそうしたサポートをすぐに得ることが難しいことがほとんどです。異国の地で、しかも英語などの第二言語を使ってこれらの手続きを行うのは、特に留学初期には非常に負担に感じられることが多いです。

留学先では、全てを自分で解決しなければならないと思い込んでしまいがちです。しかし、実際には自分一人で全てをこなす必要はありません。頼れる人やサービスを適切に活用することが、メンタルヘルスを守る上で非常に重要です。例えば、留学エージェントはビザの申請や住居探しなど、生活に必要なサポートをしてくれることが多いですし、大学の留学生サポートセンターや友人、現地でのコミュニティに頼ることも可能です。

自分一人で何でもこなそうとする気持ちは分かりますが、その姿勢が長引くと、知らず知らずのうちに大きなストレスが溜まってしまいます。特に海外では、手続きの違いや言語の壁から、思うように物事が進まないことも少なくありません。手続きがうまくいかないことで焦りや不安が募り、さらには「自分にはできない」と感じてしまうこともあるでしょう。こうした感情が積み重なると、メンタルが不安定になりやすくなります。

また、頼れる人がいないという感覚は、物理的な孤独感だけでなく、心理的な負担も引き起こします。日本では、家族や友人にすぐに相談できる環境が当たり前にあったのに、留学中はその支えが遠くに感じられるため、不安や孤立感が強くなります。何か困ったことがあった時に、誰にどう相談すればいいか分からないという状況に置かれると、一人で悩みを抱え込んでしまい、ストレスがどんどん積み重なっていきます。

だからこそ、留学中には適切なサポートを受けることが大切です。全てを自分でこなす必要はありません。たとえ簡単に思える手続きでも、分からないことや不安なことがあれば、留学エージェントや現地の友人に相談するのが良いでしょう。また、同じ留学生とのネットワークを築くことも有効です。同じ状況にいる仲間と情報を共有することで、助け合えることが多々あります。

プレッシャーはえぐいけどモチベ上がらない

留学でメンタルが不安定になる原因の一つは、強いプレッシャーを感じながらもモチベーションが上がらないという状況です。留学にかかる費用や周囲の期待が大きいと、それに応えたいという思いが強くなり、その一方で、実際の自分の成長が期待に見合わないと感じると、精神的な負担が大きくなります。このプレッシャーとモチベーションのギャップが、メンタルに大きな影響を与えます。

まず、留学のために親や家族から大きなサポートを受けている場合、その責任感が大きなプレッシャーとなります。特に、留学費用が高額であればあるほど、「成果を出さなければならない」「無駄にしてはいけない」という気持ちが強くなります。家族の期待やサポートに応えるために、一生懸命努力しようとするものの、思ったように英語が上達しなかったり、学業の成果が出なかったりすると、自分自身に対する不満や焦りが生じます。

また、留学前に友人や知人に「留学して英語がペラペラになる」と大きな期待を持たせた場合も、それがプレッシャーとなってしまいます。周りに「自分は大丈夫」「すぐに英語をマスターする」と自信を見せていたものの、実際の生活では想像以上に苦労し、思ったように成長できない自分に気づいたとき、そのギャップに悩むことが多いです。自分に対する期待が裏切られたように感じ、他人の目が気になってしまい、さらにプレッシャーを感じてしまいます。

しかし、この強いプレッシャーにもかかわらず、モチベーションが上がらないという状況が続くと、メンタルの不安定さはさらに深まります。留学生活は日々新しい挑戦があり、初めのうちは「頑張ろう」という気持ちが強いかもしれませんが、時間が経つにつれてそのエネルギーが薄れ、モチベーションが低下してしまうことがあります。特に、英語の上達が自分の期待通りにいかない場合、焦りと共に「こんなに努力しているのに、なぜ上手くいかないんだろう」と自己嫌悪に陥ることもあります。

英語の習得は、一朝一夕でできるものではありません。多くの人は留学すればすぐに英語が上達し、周囲に自慢できるほどのスキルを身につけられると思いがちですが、現実はそんなに簡単ではありません。特に日本人にとって、英語は言語的距離が大きく、習得には時間と努力が必要です。この「ゆっくりとしか成長しない現実」に直面したとき、モチベーションが急激に下がってしまうことがよくあります。

また、プレッシャーが大きいと、失敗や成果の見えない期間が精神的に大きな負担となります。周りが見ているという意識が強くなると、失敗を恐れるあまり挑戦すること自体がストレスになり、結局モチベーションを保てなくなります。この悪循環が続くと、メンタルが不安定になる原因となり、留学生活自体が苦痛に感じられてしまうことも少なくありません。

物価が高くて金銭的にストレス

留学でメンタルが不安定になる原因の一つに、物価が高くて金銭的なストレスを感じることが挙げられます。特に英語圏の国々では、日本と比べて物価が高い地域が多く、そのため日常的な生活費に対して思った以上にお金がかかることに驚くこともあるでしょう。家賃、食費、交通費など、すべてが高く感じられ、節約しなければならない状況が続くと、メンタルに大きな負担を与えます。

例えば、節約のために古くて安いアパートを借りることはよくある選択ですが、その結果、快適でない環境に住まざるを得なくなることがあります。部屋が狭い、古い、光熱費が高いなどの不満が積み重なると、家に帰ってもリラックスできず、常にストレスを感じるようになるかもしれません。また、生活費を抑えるために、毎日の食事をできるだけ節約しようとすると、栄養バランスが崩れたり、食事を楽しめなくなることもストレス要因になります。

特に、留学中に友達やクラスメイトからの誘いがあった時、お金の問題で断らざるを得ない状況は精神的に厳しいものです。周りが楽しそうに過ごしている中、自分だけが「節約しなければならない」と感じると、孤立感を覚えたり、楽しみたいのに楽しめないことに対してフラストレーションが溜まります。せっかく海外に来たのに、自由に行動できないと感じることは、留学生活の楽しさを大きく削いでしまいます。

また、金銭的なプレッシャーは、他の留学生と自分を比較することでさらに強まることがあります。自分よりも経済的に余裕がある友達と一緒にいると、「なんで自分だけこんなに節約しなければならないのか」という不満や焦りが生まれ、精神的に追い詰められてしまうことがあります。楽しく過ごしたいのに、お金の問題が頭をよぎってしまうと、どんどんメンタルが不安定になりやすいです。

金銭的なストレスは、単にお金が足りないという問題だけでなく、それによって生活の質が下がることに直結します。友達との交流を控えることで、孤独感が増し、さらに「楽しめていない」という思いが強まると、自分の留学生活が思っていたものとはかけ離れたものに感じられることが多くなります。「留学すれば充実した生活が送れる」という期待があったにもかかわらず、現実には金銭的なプレッシャーに悩まされることで、メンタルのバランスが崩れてしまうことがよくあります。

こうした金銭的な問題を乗り越えるためには、まずは現実的な予算を立て、それに基づいて生活をすることが大切です。また、無理に節約しすぎず、時には自分を甘やかすことも必要です。友達との付き合いや楽しみをすべて断るのではなく、バランスを取りながら参加できる範囲で楽しむことが、メンタルの安定に繋がります。

ストレス解消がしにくい

留学でメンタルが不安定になる原因の一つに、ストレス解消がしにくい環境が挙げられます。特に、日本のように娯楽やストレス発散の手段が豊富でない留学先では、自分が慣れている方法でストレスを解消できず、気づかないうちに精神的に疲れてしまうことがよくあります。東京や大阪のように、24時間楽しめる街や、おひとり様向けのカフェやエンターテイメント施設が豊富にある環境とは違い、海外ではそうした選択肢が少ないこともあります。

例えば、日本では一人で映画を見に行ったり、カフェでリラックスしたり、気軽に温泉やカラオケに行くことができるため、ストレスを感じたときにすぐに行動に移せる環境が整っています。しかし、留学先ではそのような「一人で楽しめる場所」や、日本のように細かいニーズに応える娯楽施設があまりない場合も多く、どこに行けばよいのか分からず、結局家に引きこもってしまうということがよくあります。

また、留学先で友達がなかなかできない場合、孤独感が強まり、さらにストレスを感じることになります。友達と一緒に出かけたり、何かを共有できることがストレス解消の大きな手段となりますが、その友達を作るまでに時間がかかったり、言語の壁や文化の違いでなかなか深い付き合いができなかったりすると、気軽に外に出て楽しむことができなくなります。すると、家に閉じこもりがちになり、結果として暴飲暴食や一日中SNSや映画を見て過ごすといった「消極的なストレス解消法」に頼ることになり、逆にストレスを増やしてしまうことも少なくありません。

引きこもりが続くと、さらに外に出ることが億劫になり、悪循環に陥ることがあります。特に、留学先の環境に慣れていなかったり、安心してリラックスできる場所が少ないと感じている場合、この傾向は強くなります。留学先での生活が「家と学校の往復だけ」というパターンに陥ると、楽しみや充実感を感じる機会が少なくなり、結果としてメンタルが不安定になる原因となってしまいます。

さらに、異文化や言語の壁によるストレスも大きく影響します。日本にいる時は、ストレスを感じたときにすぐに気心の知れた友達や家族と話をして解消できる場面も多かったかもしれませんが、留学先ではそのようなサポートネットワークがすぐに構築できるわけではありません。心の中に抱えている不安やストレスを吐き出す相手がいない状況が続くと、そのストレスがどんどん蓄積してしまい、精神的に追い込まれることがあります。

こうした状況に陥らないためには、まずは自分に合ったストレス解消法を留学先で見つけることが大切です。外に出て、留学先の自然や観光地を楽しむことも一つの方法ですし、留学エージェントや大学のサポートセンターが提供するアクティビティやイベントに積極的に参加するのも良いでしょう。また、留学先で新しい趣味を見つけることも、ストレス解消の有効な手段となります。例えば、現地でしか体験できないスポーツやアクティビティを試してみると、予想以上に楽しめるかもしれません。

日本語を使わない努力による精神的ストレス

留学でメンタルが不安定になる原因の一つとして、日本語を使わない努力による精神的ストレスがあります。多くの留学生は、英語を早く上達させるために「なるべく日本語を使わない」と決意していることがよくあります。それ自体は非常に立派な目標ですが、この意識が強すぎると、逆に精神的なストレスを抱えやすくなることもあります。

留学の目的の一つが英語力の向上であることは間違いありません。しかし、日常生活や学業のすべてを英語でこなそうとするあまり、無理をしてしまうことがあります。特に、日常の些細な会話やリラックスした時間にも「英語で話さなければならない」というプレッシャーを感じると、次第に心に負担がかかってきます。家族や友人と日本語での会話を避けたり、現地で出会った日本人とのコミュニケーションを控えることで、安心感やサポートを得る機会が減ってしまうのです。

まず、家族や日本の友人とのコミュニケーションが減ることは、孤立感を強める要因となります。留学中に日本語をあえて使わないようにしていると、気軽に家族に電話をかけたり、友達と連絡を取る回数が減ってしまうことがあります。それは英語力の向上には役立つかもしれませんが、その一方で精神的な支えを失うことにもなります。特に、ホームシックや文化的な違いに悩んでいる時に、日本語での会話ができる相手がいないというのは、メンタルに大きな影響を及ぼします。

また、留学先で出会う日本人との繋がりを意図的に避けることも、ストレスを生む原因になります。「英語漬けにならなければならない」というプレッシャーから、日本語を話す環境を避ける留学生は多いですが、それにより重要な友人関係やコミュニティのチャンスを逃してしまうことがあります。日本人同士で話すことによって現地の生活に関する情報を交換できたり、同じ経験を共有することで安心感を得られる場面が多々あるにもかかわらず、それをあえて避けてしまうと、必要なサポートを得る機会が減ってしまいます。

さらに、現地で出会った日本人が外国人の友達を紹介してくれるチャンスを失うこともあります。日本人同士のネットワークを活用することで、自然に多国籍の友人を作ることができるのに、その機会を無駄にしてしまうこともあります。逆に、日本語を使うことに対して過度に自分を制約してしまうと、より大きなストレスや孤独感が強まるリスクが高まります。

このように、日本語を使わないという目標が、結果的に精神的なプレッシャーや孤立感に繋がることがあります。言語習得は非常に重要ですが、無理に日本語を封じることでストレスが溜まると、かえって効率が悪くなり、学習のモチベーションや集中力も低下してしまうことが考えられます。リラックスできる時間を持つことや、自分の感情を素直に表現できる場を確保することも、メンタルの安定においては非常に大切です。

人生が変わるという期待とのギャップ

留学でメンタルが不安定になる原因の一つに、「人生が変わる」という期待とのギャップがあります。留学を決意する多くの人は、「海外に行けば自分の人生が劇的に変わる」といった大きな期待を抱いています。新しい環境、異文化との出会い、語学の上達など、留学生活がこれまでの自分を大きく変えてくれると思いがちです。しかし、その期待が現実とかけ離れていると、メンタルに大きなストレスがかかることがあります。

留学は確かに人生に影響を与える大きな経験ですが、それ自体が魔法のように人生を変えてくれるわけではありません。どのようにその期間を過ごし、どんな挑戦や努力をしたかが、最終的に自分を成長させるかどうかに大きく関わります。留学前に描いていた「留学さえすれば自分は変われる」という期待感が強すぎると、現実とのギャップに苦しむことがあります。特に、期待通りに物事が進まなかった時、その失望感が大きな精神的ストレスに繋がります。

例えば、留学を始めたばかりの頃は、新しい環境や文化にワクワクし、すべてが新鮮に感じられるものです。しかし、時間が経つにつれて現実的な問題や課題が目の前に現れると、思っていたような「人生を変える体験」とは違う現実に直面することが多いです。例えば、英語が思うように上達しない、友達ができない、日常生活に苦労するなど、当初想像していた「素晴らしい留学生活」とは程遠いと感じることがあります。こうした現実とのギャップが大きいほど、メンタルに影響を及ぼしやすくなります。

また、留学前に周囲に対して「自分は留学に行くことで何か大きな変化を遂げるんだ」という姿勢を見せていた場合、その期待に応えなければならないというプレッシャーも加わります。「留学から帰ってきたら完璧な英語を話せるようになっていなければならない」「人生が一気に成功に向かうはずだ」といった自己期待が高すぎると、その期待に応えられない現実に打ちのめされることがあります。これが精神的に大きな負担となり、メンタルの不安定さを引き起こす原因となります。

実際のところ、留学がもたらす変化は、留学期間中にどれだけ自分から行動し、どんな経験を積むかに依存します。単に海外にいるという事実だけで人生が変わるわけではありません。新しい環境での経験や学びをどう活かすか、そしてその中で自分自身がどう変わっていくかが重要です。しかし、このことを理解せず、留学そのものに過度な期待を抱いてしまうと、現実とのギャップに落胆してしまうのです。

このギャップを埋めるためには、まず留学に対する現実的な期待を持つことが重要です。留学は確かに成長のきっかけにはなりますが、すべてが順風満帆に進むわけではありません。壁にぶつかったり、失敗を経験することも多々ありますが、それも含めて留学の大切な経験の一部です。大きな変化を期待するよりも、小さな進歩を積み重ねることで、少しずつ自分が成長していることに気づくことができれば、メンタルの負担も軽くなります。

まとめ

留学は貴重な経験であり、多くの学びや成長をもたらすものですが、同時に精神的なストレスや不安定さに直面することも少なくありません。過剰な期待や経済的な負担、言語や文化の違いなど、さまざまな要因がメンタルに影響を与えるため、適切に対処することが大切です。自分に合ったストレス解消法を見つけたり、無理をせずサポートを受けることを心がけることで、留学生活をより充実したものにすることができます。留学は「人生を変える」きっかけに過ぎないことを理解し、柔軟な姿勢で向き合うことで、メンタルのバランスを保ちながら前向きに過ごしていきましょう。

この記事の監修:土屋雅人

1993年栃木県出身。
school surf運営代表。株式会社GOODBYE JAPAN代表。NPO留学協会賛助会員。
もっと多くの日本の方が気軽に留学できるようなサービスを作ってます。

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