イギリス留学に憧れる人は多いですが、実際に現地に行った人の中には「やめとけ」と言う声を上げる人もいます。文化や気候、生活費の違いに加え、思わぬ壁にぶつかることもあるため、事前に注意が必要です。イギリスには素晴らしい教育機関や歴史的な街並みがある一方で、日本から留学を考える際には、現地で直面する現実的な問題を理解しておくことが重要です。
この記事では、イギリス留学における代表的な「やめとけ」と言われる原因を7つご紹介し、どのような困難が待ち受けているのかを掘り下げていきます。これを読むことで、留学に対する期待とともに、現実的な側面にも目を向けることができるでしょう。
目次
Toggleイギリス留学に関する「やめとけ」と言われる理由の一つに、アメリカ英語とイギリス英語の違いが挙げられます。英語を学び始めたばかりの人は、どちらの英語も同じだろうと思いがちですが、実際に現地に行くとその違いに驚くことがあります。特にアメリカ英語に慣れている人がイギリスに行くと、聞き取りや理解に苦労することがあるかもしれません。その結果、自分の英語力に自信を失ってしまうこともあるでしょう。
まず、イギリス英語とアメリカ英語の違いは発音です。例えば、”water” という単語。アメリカ英語では「ウォーター」と発音されるのに対し、イギリス英語では「ウォーター」と、最後の “r” がほとんど発音されません。また、”can’t” という言葉もアメリカ英語では「キャント」と発音されるのに対し、イギリス英語では「カント」と発音されるため、これに慣れていないと最初は混乱するかもしれません。
また、単語自体にも違いがあります。例えば、アメリカでは「エレベーター(elevator)」と言いますが、イギリスでは「リフト(lift)」と呼ばれます。アメリカ英語に慣れた留学生がイギリスで生活を始めると、日常の中でこうした単語の違いに戸惑うことがあります。
文法的な違いもありますが、会話において一番大きく影響するのは、やはりイントネーションや言葉の使い方です。イギリス英語はよりフォーマルな印象を与えることが多く、文法的にもより規範的でエレガントな響きがあると言われます。イギリス人の話し方は落ち着いたトーンで、丁寧さが感じられるため、イギリス英語を身につけることでスマートで洗練された印象を与えることができるのも魅力です。
イギリス英語を習得することには多くのメリットがあります。まず、英語はもともとイギリス発祥の言語であり、いわば「本物の英語」を学べるという点が一つの大きな魅力です。さらに、イギリス英語は国際的に認知されており、世界中どこでも理解されるため、英語を学ぶならイギリス英語に慣れておくことは非常に有利です。ビジネスシーンでも、イギリス英語はそのフォーマルさや信頼感から評価されることが多く、特にヨーロッパやアジアで働く際には役立つ場面が増えるでしょう。
イギリス留学が「やめとけ」と言われる理由の一つに、物価の高さが挙げられます。特にロンドンの物価は世界的に見ても高い水準で、東京と比較してもかなり高いと感じるかもしれません。留学中にかかる費用は家賃や食費、交通費などさまざまですが、これらのコストが積み重なると、留学の期間を短くする原因にもなり得ます。
例えば、ロンドンの家賃は非常に高額です。市内中心部で一人暮らしをする場合、1ヶ月の家賃は平均して£1,500(約25万円)ほどかかることも珍しくありません。これに対して東京の家賃は、同じく市内中心部であっても£1,000(約16万円)程度に収まる場合が多いです。つまり、家賃だけでも大きな差が生まれ、留学生活の負担が増えることが考えられます。
また、食費に関してもロンドンは高めです。ランチを外で食べる場合、平均的な価格は£10〜£15(約1,600〜2,400円)ほど。日本では同じようなランチを1,000円以下で楽しめることも多く、食事にかかるコストの違いを感じることになるでしょう。自炊を選んでも、スーパーマーケットの食品価格は日本よりも高めで、特に新鮮な野菜や果物、肉類は値段が張ります。
交通費もまた、イギリス留学で大きな出費の一つです。ロンドンの公共交通機関は便利で発達していますが、料金も高めです。例えば、地下鉄(Tube)のゾーン1〜2を移動する定期券は、1ヶ月で約£140(約23,000円)。東京の地下鉄と比べると、やや割高に感じるかもしれません。さらに、タクシー料金やガソリン代も高額なため、日常の移動費は無視できない負担となります。
これらの生活費の高さに加えて、学費もイギリスの大学や語学学校は他の国と比べて高めです。マルタやアイルランドのような国であれば、1年間の留学費用で生活できる場合もありますが、イギリスではその費用で6ヶ月しか持たないということもあります。特にロンドンは、他の都市に比べてもさらに物価が高いので、予算の管理には十分な注意が必要です。
しかし、物価が高いからといってイギリス留学を諦める必要はありません。生活費の削減方法を工夫することで、費用を抑えることも可能です。例えば、住む場所をロンドン以外の都市にすることで家賃を大幅に節約できるでしょう。マンチェスターやバーミンガムといった都市は、ロンドンに比べて物価が安く、充実した留学生活を送ることができます。また、外食を減らし、自炊を心がけることで食費の節約も可能です。
イギリス留学が「やめとけ」と言われる理由の一つに、移民問題などを背景に治安が悪化している点が挙げられます。特にロンドンは多様なバックグラウンドを持つ人々が集まる国際的な都市であるため、治安に関する懸念が増していると言われています。もちろん、ロンドンには安全なエリアも多く存在しますが、他の大都市と同様に、注意が必要な場所もあります。
ここ数年、ロンドンの治安に関してニュースで取り上げられる機会が増えているのは、移民問題がその一因となっています。多くの移民がイギリスに流入することで、地域社会の変化が起きており、一部では治安の悪化が報告されています。特に、移民の流入が増えた結果として、犯罪率が上昇していると言われる地域もあります。移民政策や社会の対応がうまく機能していない部分があり、特定のエリアでは問題が表面化しているのです。
ただし、治安の悪化が全土に広がっているわけではなく、ロンドンの一部のエリアに限られていることも知っておくべきです。特に観光客や留学生が訪れる中心部や大学周辺は、比較的安全です。しかし、治安が悪いと言われるエリアに立ち入らないようにすることが重要です。例えば、夜間に人気の少ない場所を歩かない、貴重品を目立たせない、スマホを公共の場で無防備に使用しないなどの基本的な防犯対策は必須です。
また、ロンドンの治安問題は移民問題だけではなく、経済的な格差や社会的な不安定さも原因の一つです。特に低所得者層が集まる地域では、窃盗や暴力事件が増加している傾向にあります。このようなエリアは、留学生が日常的に利用するような場所ではありませんが、事前に滞在するエリアの治安情報をしっかりと確認しておくことが大切です。
日本人留学生が注意すべき点としては、まず第一に、安全な地域に住むことです。ロンドンではエリアごとに治安状況が異なるため、学校や留学エージェントからのアドバイスを参考にしつつ、住む場所を選びましょう。また、現地の生活に慣れるまでは、夜遅くに一人で出歩くのは避けるようにし、友人や同僚と一緒に行動することが推奨されます。公共交通機関を利用する際も、特に夜間はタクシーやライドシェアを利用することで安全性を確保できます。
さらに、日本人留学生は異文化の中で生活しているため、犯罪に巻き込まれないよう自分を守る意識を持つことが重要です。例えば、財布やスマートフォンを不用意に取り出さない、荷物を無造作に置かないなど、スリや盗難の標的にならないよう注意を払う必要があります。また、現地の治安情報やニュースにも定期的に目を通し、危険なエリアや最新の状況を把握しておくことが大切です。
イギリス留学が「やめとけ」と言われる理由の一つに、「安くて美味しい日本食がない」という問題が挙げられます。特に日本食が好きな方にとって、イギリスでの食事には少し不満を感じるかもしれません。ロンドンをはじめとする大都市には日本食レストランが存在しますが、その多くが高額で、日本のように手軽に美味しい日本食を楽しむことは難しいのが現状です。
まず、イギリスは日本に比べて全体的な物価が高いため、外食をするときのコストがかなり違います。日本では、例えば吉野家や松屋などの牛丼チェーンで1,000円以下で美味しいご飯を食べられますが、イギリスでは同じような価格帯で食事をするのは難しいです。特に日本食となるとさらに高くなり、ランチでも2,000円を超えることがよくあります。牛丼が1,500円するのに、味が日本のそれとは全く違い、がっかりすることも少なくありません。
さらに、イギリスで提供される日本食は、本物の味を期待すると少し物足りなく感じることが多いです。もちろん、高級な日本食レストランでは本格的な味を楽しむことができますが、それもかなり高額です。一般的な日本食チェーン店や、ローカルのレストランで提供される日本食は、現地の味覚に合わせてアレンジされていることが多く、日本で慣れ親しんだ味とは異なります。寿司やラーメンも、日本で食べるものとは少し違った味付けや食材が使われていることが多く、これも日本人留学生にとっては驚きかもしれません。
また、イギリスには日本のような手軽な食堂やコンビニがほとんど存在しません。日本では、1000円以下で手軽にお弁当やお惣菜を購入できる便利なコンビニが至る所にありますが、イギリスではそういった選択肢が限られています。スーパーで日本食の食材を探すことも可能ですが、輸入品が多く、値段が高い上に品揃えも限られています。日本の調味料や食材を揃えて自炊するのも、かなりのコストがかかることが予想されます。
日本食に限らず、全体的にイギリスの外食産業は日本ほどのバラエティや手軽さがなく、特に食文化にこだわりがある人にとっては、少しストレスを感じるかもしれません。しかし、それを克服するために、自炊のスキルを磨いたり、現地の食材を使って日本風にアレンジしたりする楽しみもあります。イギリスに滞在している間に、ローカルの食文化を取り入れつつ、時折日本の食材を取り入れて料理を作ることで、食生活を充実させることも可能です。
イギリス留学が「やめとけ」と言われる理由の一つに、食文化が日本人に合わないという点が挙げられます。食文化はその国の生活に大きな影響を与える要素であり、特に日本人にとって、食事は楽しみであり、健康面でも重要な部分を占めています。しかし、イギリスの食文化は日本のそれとは大きく異なり、留学中に食生活にストレスを感じる人も少なくありません。
まず、イギリスの食事は、日本と比べてシンプルでボリューム重視の傾向があります。代表的な食事としては、フィッシュ・アンド・チップス、ローストビーフ、シェパーズパイなどが挙げられますが、どれも油っこく、塩味が強いものが多いです。日本では、バランスの取れた食事が重視され、野菜や魚、豆腐などの軽めで健康的な料理が中心です。イギリスの食事は、このようなヘルシーさが少なく、日本人にとっては少し重たく感じることがあるかもしれません。
さらに、イギリスの伝統的な朝食である「イングリッシュ・ブレックファスト」もその一例です。ベーコンやソーセージ、目玉焼き、トーストに加え、ビーンズやブラックプディング(血を使ったソーセージの一種)などが盛り込まれた、ボリュームたっぷりの朝食は、初めて見ると驚くかもしれません。日本では、ご飯や味噌汁、焼き魚といった軽めの朝食が一般的なので、このような高カロリーな食事は慣れるまでに時間がかかることがあります。
また、イギリスの食事は味のバリエーションが少なく、素材の風味を活かすというよりも、塩や油で味付けをすることが多い点も、日本人には合わないと感じる理由の一つです。特に和食はだしの旨味や素材の新鮮さを引き立てる調理法が主流であり、繊細な味わいを楽しむことができますが、イギリス料理はその点で異なります。ソースやグレイビーで味をつける料理が多く、日本人が求める繊細な味わいとは違った食事が多いのです。
さらに、野菜不足もよく話題に上がります。イギリスの伝統的な食事は、肉類や炭水化物がメインで、野菜の摂取が少なくなりがちです。もちろん、サラダや蒸し野菜を提供するレストランも増えてはいるものの、日本のように日常的に豊富な野菜料理を楽しむことは難しいです。健康志向の日本人にとって、野菜不足や栄養バランスの悪さは大きなストレスとなるかもしれません。
イギリス留学が「やめとけ」と言われる理由の一つに、田舎に留学すると何を言っているのか全くわからなくなる、という問題があります。ロンドンなどの都市部では、比較的標準的なイギリス英語(RP:Received Pronunciation)が使われていますが、田舎に行くとそのアクセントが急に強くなり、特に英語初心者にとっては大きな壁になることがあります。
日本でも、大阪弁や東北弁のように地域ごとの方言があるように、イギリスでも地域によってアクセントが大きく異なります。例えば、ロンドンから離れたスコットランドの田舎や、北イングランドの都市でもよく聞かれるヨークシャー・アクセント、またウェールズ地方などでは、地元の人々が話す英語があまりにも強いアクセントを持っているため、同じイギリス人でさえ何を言っているのか理解できない場合があります。
例えば、スコットランドのアクセントは「イギリス英語」という枠を超えた独特の響きがあり、文脈なしでは理解が難しいことが多いです。例えば、スコットランドのグラスゴーの方言では、”How are you?” が “Hoo are ye?” のように聞こえることがあります。また、”can’t” は “cannae” になったりするので、普通の文法や単語を覚えていても、会話に苦労する可能性があります。
ウェールズの地方に行くと、ウェールズ語(ケルト語)の影響を受けたアクセントが強く出る地域もあります。ウェールズ語自体が完全に異なる言語であるため、特に高齢の人々の話す英語にはウェールズ語のリズムやイントネーションが影響しており、英語として理解するのが難しい場合もあります。
さらに、北イングランドのアクセント(ヨークシャーやリバプール、マンチェスターなど)も非常に特徴的です。例えば、リバプールでは「Scouse」と呼ばれる独自のアクセントがあり、”think” が “fink” に、”book” が “buck” に聞こえることがあります。また、”I’m going to” は “I’m gonna” よりもさらに崩れて、”I’m gon” のように発音されることが多いです。こうしたアクセントの違いに直面すると、留学生は「英語を勉強してきたのに、これが全く理解できない!」と感じることが多いでしょう。
特に英語に自信のない日本人留学生にとって、こうした強いアクセントに慣れるのは時間がかかることがあります。日本では標準的なアメリカ英語や、イギリスの標準英語(RP)を学ぶことが一般的であり、特定の地域のアクセントに触れる機会はほとんどありません。そのため、留学先がこうしたアクセントの強い地域になると、最初の数ヶ月は苦労することが予想されます。
では、どうすればこの問題を乗り越えられるのでしょうか?まず、アクセントに慣れるためには、日々の会話を積極的に行うことが大切です。最初は全く聞き取れなくても、少しずつ耳が慣れてくると、アクセントの違いがわかるようになり、理解力も向上します。また、田舎の人々は一般的にフレンドリーで、外国人がアクセントに苦労していることを理解してくれるので、わからないことがあれば遠慮せずに聞き直すことも重要です。
さらに、留学先を選ぶ際には、できるだけ自分が行くエリアのアクセントについて事前に調べておくと良いでしょう。YouTubeや映画、ドラマなどでその地域の英語に触れておくことで、少しでも慣れることができます。特にイギリスのドラマや映画には、地域ごとのアクセントが反映されているものが多く、それを視聴することで、留学先での言語的なハードルを下げることができます。
イギリス留学は、世界トップクラスの教育を受けるチャンスや、異文化体験ができる素晴らしい機会です。しかし、物価の高さや独特な食文化、地方の強いアクセントなど、日本との違いに戸惑うことも少なくありません。特に、慣れ親しんだ日本の環境から離れることで、生活面でのストレスが積み重なることもあります。
これらの要因を十分に理解した上で、留学に対する準備をしっかりと行うことが大切です。この記事で紹介した「やめとけ」と言われる理由を参考にし、事前にどのような困難が待ち受けているのかを理解しておくことで、イギリス留学をより充実したものにするための一歩を踏み出すことができるでしょう。
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